梅のことしか知らない人生でしたから

前田 莞爾

自然栽培にこだわり、愛情込めて育てた梅の実を、最高に美味しい梅干しにしてくださったのが、もう一人の梅のレジェンド、前田莞爾さんです。

前田さんは梅ジュースの会社に就職してからというもの、梅一筋で50年。

梅干し、梅シロップ、梅酒、etc.…あらゆる梅レシピを作り続け、梅の良さを最大限に引き出すレシピを探求してこられました。

梅たちを喜ばせたくて

梅本来の良さを最大限に生かしてあげることで、梅たちも喜んでくれる。

そして、食べる人たちも、その梅一粒で元気になれるのだと、前田さんは言います。

しかし、バイヤーに求められるのは、甘く味付けして口当たりを良くした梅干しばかりでした。

「梅干しって、ごはんと合わせてこそ美味しいもの。なのに、可愛がって育てられた梅たちが、人間の都合で調味料や防腐剤を入れて、いじめられている。そんなことしちゃあ、あまりに梅がかわいそう」

調味料や防腐剤を使わず、〝本来の梅の良さ〟を引き出した、昔ながらのごはんに合う梅干しを残したい。

そんなわたしたちの想いに、前田さんは「最大のエールを送りたい」と、月に何度も和歌山県から綾部まで、遠路はるばる、梅の様子を見にきてくださっています。

妥協のない"梅愛"

前田さんのレシピでは、梅を塩と梅酢で漬けます。

難しい製法ですが、梅酢を加えることで梅干しはより美味しくなるのです。

緻密なレシピは梅を知り尽くしたプロフェッショナルだからこそ、なせる業。

梅の漬け込みをしている期間中、前田さんはタンクごとにPHや塩分をきめ細かく測定し、ゆにわ独自のレシピに合わせて、地道にバランスを整えていきます。

この妥協を許さない姿勢と、確かな美味しさが、前田さんの〝梅愛〟を証明しているかのようです。

前田 莞爾